振動を検知して荷物の盗難を防ぐデバイス「トレネ」のクラウドファンディングが、目標金額を達成しています。
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要素技術が、振動センサーと Bluetooth ということで、Raspberry Pi Zero W と少しのパーツで似た機能の実現を目指しました。盗られたことがわかるので、「トラレ」と呼ぶことにします。
緑色のミンティア(カテキンミント)の中に収まっているのが Raspberry Pi で、ケーブル接続されている黒い物体は一般的なモバイルバッテリーです。(ミンティアから飛び出している赤外線 LED は今回関係ありません)
まずは振動センサーですが、15 円/個くらいの 水銀スイッチ - Wikipedia を Raspberry Pi の GPIO18 ピンと GND にはんだ付けしました。水銀スイッチは取り扱いを誤ると、環境に悪影響を及ぼすため 金属球で感知するタイプ もあります。GPIO18 がオフからオン、または逆に変化したとき、傾きが発生したとみなすことができます。
「トラレ」と iOS 端末の距離は、Raspberry Pi が Bluetooth の RSSI 値を定期的に取得することで監視します。今回は GitHub - ewenchou/bluetooth-proximity: Bluetooth Proximity Detection using Python を利用しました。
iOS 端末が一定以上離れていて、Raspberry Pi が傾きを検知したとき、iOS 端末に通知をおこないます。本家「トレネ」では、本体が警告音を発する仕様ですが、誤動作で注目を集めるのは望むところではないので、そのようにしました。Bluetooth による通知といえば、一時期ブームだった iBeacon - Wikipedia という仕組みがあるため、それを用います。
これらを組み合わせて「トラレ」として動作させるために Raspberry Pi 上で実行する TRARE · GitHub を作成しました。さらに、iOS 端末で iBeacon を受信するためのアプリのインストールが必要です。iBeacon advertisement を受信できるアプリは数多くありますが、任意の UUID を指定でき、バックグラウンドでも通知可能な 「Find My Stuff - 鍵やお財布から車まで、あなたの所持品を即座に位置確認!」をApp Storeで を採用しました。
Bluetooth が届く距離にいないと通知が受け取れないという懸念はあります。試した限りでは、壁を隔てた隣の部屋くらいであれば問題ないようです。圏外にいたとしても iBeacon advertisement は発信され続けるため、圏内に入った時点で通知されます。
Raspberry Pi Zero W は $10 なので、「トレネ」の予定価格 6,800 円と比較すると、コストパフォーマンスの高さが際立ちます。